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世界・国内ウェアラブルデバイス市場シェア

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先日、別の記事で世界のスマートウォッチ市場について紹介したが、果たして日本国内のスマートウォッチ市場は実際にどのような状況になっているのだろうか?

IDCの調査によると、2019年の年間スマートフォン出荷台数において、日本国内の場合、世界と比べてApple製品の占める割合が非常に高いことがわかる。実に3倍以上の割合だ。

2019年 世界、国内スマートフォン出荷台数 ベンダー別 シェア

出典:
IDC Japan「2019年第4四半期および2019年通年 国内携帯電話/スマートフォン市場実績値を発表」

IDC “Apple Takes Top Spot in Q4 2019 Worldwide Smartphone Market While Huawei Rises to Number 2 Globally for 2019”

よって、スマートフォンと連動して使用する機会の多いスマートウォッチの市場においてもApple製品である「Apple Watch」シリーズが、iPhoneとの機能連携の強化や店頭におけるセット販売戦略によって高いシェアを獲得していることが予想される。

しかし、これまでスマートウォッチを対象にした国内シェアに関する調査結果が少なく、実情が把握しづらい。

このため、今回はもう少し対象デバイスの範囲を広げ、ウェアラブルデバイスを対象にして、世界と日本の市場を比較してみたい。

世界と日本国内のウェアラブルデバイス市場を比較

IDC Japanによる2019年の世界/国内ウェアラブルデバイス市場規模の調査結果を以下に紹介する。

引用:
IDC Japan 「2019年第4四半期および2019年通年 世界/国内ウェアラブルデバイス市場規模を発表」

2019年 世界・国内ウェアラブルデバイス市場 トップ5カンパニー出荷台数(単位:百万台)および対前年成長率

上記の調査では、「ウェアラブルデバイス」として、スマートやフィットネストラッカーの他にも、耳に装着して使用する音声アシスタント対応イヤフォンやヘッドフォンなどを「耳装着型デバイス」(「ヒアラブルデバイス」とも呼ばれる)として計上している。

2019年の世界ウェアラブルデバイス市場では、Apple(31.7%)、Xiaomi(12.4%)、Samsung(9.8%)とAppleが2位以下のメーカーとのシェアを引き離しているが、日本国内の場合、Apple(53.7 %)、Sony(8.7 %)、Samsung(6.1%)とさらにAppleの優位が強まる。もはや、Appleの完全な一人勝ち状態となっている。

なお、日本国内でAppleのシェアが高い理由として、Apple製品の「耳装着型デバイス」にあたる「AirPods」シリーズの存在も忘れてはならない。

同年のウェアラブルデバイス別にみた出荷状況は以下の通り。

2019年 世界・国内ウェアラブルデバイス市場 デバイス別出荷台数(単位:百万台)および対前年成長率

上記のデバイス別にみた出荷構成比率について、世界市場と日本市場を比較すると、世界市場では、構成比の高いものから耳装着型(50.7%)、ウォッチ型(27.5%)、リストバンド型(20.6%)と続くのに対し、日本国内の場合、耳装着型(64.9 %)以外のデバイスの構成比率が低いことがわかる。

日本国内市場は「ウェアラブルデバイスといえば、Apple製品」のガリバー型寡占状態

こうした結果から、日本国内ではスマートウォッチは「Apple Watch」シリーズ、耳装着型デバイス(ヒアラブルデバイス)は「AirPods」シリーズとApple製品が圧倒的なシェアを占めていることが伺い知ることができる。

日本国内市場は「ウェアラブルデバイスといえば、Apple製品」の状態であり、一企業の市場シェア率が2位以下の企業に比べて飛びぬけて大きい状況、いわゆる「ガリバー型寡占」と呼ばれる状況といえる。

まとめ

世界市場においては、SAMSUNGやHUAWEIがウェアラブルデバイス、とりわけスマートウォッチの市場で成長をみせており、アップルの市場シェアを奪いつつある。

一方、日本国内市場では、アップルに以外のメーカーが未だアップルの高いシェアを奪えていない。

日本国内のスマートウォッチ市場を活性化するためにも、世界市場のようにアップル製品とは異なる機能や価格を提供するメーカー製品の登場が待ち望まれている。

国内のスマートウォッチ市場にすでに参入しているメーカー、これから参入するメーカーには、現在使用しているスマートフォンのメーカーに関係なく使用できるウェアラブルデバイスと、日本の生活様式に合った健康管理やビジネス、趣味などの具体的なスマートウォッチの活用シーンの提案を期待したいところである。