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スマートウォッチによる睡眠計測の仕組み

睡眠計測

健康管理に役立つ睡眠計測機能

最近のスマートウォッチやフィットネストラッカーの特徴的な機能の1つとして、睡眠の質の計測できる機能が挙げられる。

スマートウォッチやフィットネストラッカーを腕に装着して眠ると、自動的に睡眠時間が測定され、睡眠の質を分析してくれる。健康管理にはとても役に立つ機能だ。

ちなみに、これらの機器はどのようにして睡眠を計測しているか疑問に思ったことないだろうか?

睡眠を計測する仕組み

機器が睡眠時間を計測している間は、自分自身は寝てしまっていて意識がない状態なので、メーカーが予め適当な計測データを捏造しているのでは?なんて疑っている人もひょっとしたらいるのではなかろうか。

また、スマートウォッチやフィットネストラッカーといった電子機器を身に着けて睡眠して身体的な悪影響はないのか?と心配する人もいるかもしれない。

今回は、そんな疑問や心配を解決するため、スマートウォッチやフィットネストラッカーによる睡眠計測の仕組みを解説したい。

心拍数を計測する光学式心拍計

動作している睡眠計測機能付きのスマートウォッチやフィットネストラッカーを手に取ってみると、時刻などを表示するディスプレイ画面の背面にあるチカチカ輝くグリーンのLED光に気づく。

この光で睡眠計測をしていると答えた方は、半分だけ正解。

実は、スマートウォッチやフィットネストラッカーでは、このグリーンの光の正体である「光学式心拍計」と腕の動きの検知する「加速度センサ」の両方を使用して睡眠状態を計測、分析している。

光学式心拍計では、1分間に心臓が鼓動する回数を心拍数として計測している。

その仕組みは意外と簡単で、赤い血液がグリーンの光を吸収する特性を利用し、グリーンに光るLEDを腕の表面の血管に照射し、その反射光を使って一定間隔の血流量の増減を計測し、心拍数として算出している。

心拍数は、睡眠状態になると、一般的に目が覚めている安静時よりも少なくなる傾向がある。

腕の動きを検知する加速度センサー

しかし、心拍数だけで睡眠と判断してしまうと、睡眠状態と目が覚めた状態での心拍数低下の状態との区別がつかない。

このため、睡眠状態の判別には、腕の運動量を検知する加速度センサによる一定時間の運動量の計測も併せて使用している。

つまり、心拍数が安静時より低く、かつ一定時間の運動が検出されなければ、睡眠状態と判断できる。

光学式心拍計と加速度センサーで睡眠状態を計測

このように、多くのスマートウォッチやフィットネストラッカーでは、血液の流れを検知する光学式心拍計と腕の動きを検知する加速度センサとの両方を使って起きている状態(覚醒状態)と寝ている状態(睡眠状態)の2つの状態を区別している。

なお、睡眠の質を分析する際に、一般的に「浅い眠り」「深い眠り」「レム睡眠」「覚醒」などのレベルに分けられるが、これらのレベル分けやその検知方法はメーカーによって異なるので各メーカーのサイトで確認すると良い。

ちなみに、フィットネストラッカーの先駆者であるFitbitのサイトではFitbit製の機器で検出できる睡眠レベルについて以下のように説明している。

浅い睡眠:毎晩の眠りにつく際の入り口となり、身体は徐々にリラックスして動作が減少。

深い睡眠:通常睡眠の最初の数時間で起こる。

レム睡眠:通常、深い睡眠の初期段階を経た後に起こる。後半になると、より長期間のレム睡眠を体験する。

覚醒状態:起きている状態

引用:Fitbitヘルプ「睡眠段階については何を知っておくべきですか?」

ただ、睡眠のレベル分けにはいろいろな学説も存在し、メーカーやデバイスによってもレベルの検出方法や精度に差異があり、各レベルがもたらす身体への効果(つまり、睡眠の質)についても意見が分かれるところが多い。
また、より正確な睡眠状態や睡眠レベルを計測するには、脳波を図る脳波計なども使用しないと難しいともいわれている。

このため、スマートウォッチやフィットネストラッカーで睡眠状態の計測する場合は、睡眠時間の管理を主にして、睡眠の質はあくまで参考程度にチェックするのが適していると個人的には考える。

まとめ

自分だけではついつい忘れてしまいがちな毎日の就寝時刻と起床時刻の管理。

スマートウォッチやフィットネストラッカーを活用すれば、自動で就寝時刻と起床時刻を記録することができる。

毎日の睡眠時間を見える化することによって、十分な睡眠時間の確保に努めて、健康維持を心掛けたい。