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アウトドア、トレーニング、フィットネスで多機能な「Suunto 5」と「Suunto 9」
SUUNTOが販売するGPSウォッチに、「Suunto 9」と「Suunto 5」の2モデルがある。
どちらのモデルも、ルートや走行ペースを記録できるのはもちろん、ルートのナビゲーションや高度計測、日の出/日の入り時刻表示など充実したアウトドア機能を備えている。
さらに、光学心拍計機能によって、トレーニングの質やリカバリーに必要な時間なども計測してくれる。
また、ウォッチを24時間装着していれば、歩数、カロリー、睡眠などの活動も自動で追跡するフィットネストラッカーとして利用することもできる。
スマートウォッチのように、Bluetooth経由でスマホに来たメールやメッセージの通知を受けることも可能だ。
「Suunto 5」を選んで損なし
このような、アウトドアでも、トレーニングでも、健康管理でも役立つ2つのモデルだが、共通する機能が多く、どちらが自分に合ったモデルなのか選ぶのが難しい。
「Suunto 5」は、そのサイズが「Suunto 9」よりも小型であることから、「Suunto 9の弟分」と呼ばれることもあるが、果たして機能は十分なのだろうか?
結論から言ってしまうと、大多数の人にとって「Suunto 5」を選んでおけば損はしない。
なぜなら、「Suunto 9」が「Suunto 5」よりも勝る性能、「Suunto 9」にあって「Suunto 5」にない機能といったものは、一部のスポーツでしか発揮するのが難しい。
「Suunto 9」の場合、女性だと、その大きさや重さが気になる人もいるだろう。また、男女問わず、服の袖を通す際は、小型で薄型のウォッチの方が都合が良い。
その点、「Suunto 5」は、「Suunto 9」とほぼ同じ機能を備えながら、小型の薄型である。
そして、価格が「Suunto 9」よりも抑えられている。
「Suunto 5」と「Suunto 9」の違い
2つのモデルの違いについて比較すると、それぞれのモデルの特徴、どちらのモデルがどのような人に適しているのかが見えてくる。
サイズ、重さ
Suunto 5 | Suunto 9 | |
文字盤の大きさ | 46mm | 50mm |
文字盤の厚み | 14.6mm | 16.5mm |
リストバンドの幅 | 22mm | 24mm |
サイズは、文字盤の大きさで4mm、厚さで1.9mm、ストラップ幅で2mmの差がある。
重量は、6gの差がある。
「Suunto 5」の文字盤サイズ45mmは、「Apple Watch」の文字盤の横幅33~38mmに比べて大きく、文字も見やすい。
「Suunto 9」はさらに文字盤が大きく、文字は見やすいが、その分、全体のサイズや重量が大きくなっている。
たかが、数ミリ、数グラムの違いだが、実際に装着してみると、思いの他、大きな差を感じる。
日常での使いやすさ、装着するウォッチの軽量化が求められるスポーツでは、コンパクトな「Suunto 5」は高く評価できる。
耐久性
Suunto 5 | Suunto 9 | |
文字盤レンズ素材 | ミネラルクリスタル | ミネラルガラス |
耐水 | 最大50m | 最大100m |
「Suunto 5」の場合、文字盤レンズで使用されている素材はミネラルクリスタル。
ミネラルクリスタルは硬質強化ガラスなので、傷が残りにくい。
水深50mの耐水設計。
「Suunto 9」の場合、文字盤で使用されている素材はミネラルガラス。
ミネラルガラスは一般のガラスなので、傷が残りやすい。
水深100mの耐水設計。
ただ、「耐水100m」といっても、実際に100m潜水できる性能ではないので注意。
Suuntoのサイトでは、耐水の「100 m」について以下のように説明している。
最大数値は実際のダイビング水深を意味し、Sunnto が実施する防水性能テストではこの最大水深における水圧での防水性をテストします。時計を着用してスイミングやシュノ―ケリングを楽しむことはできますが、ダイビングで使用することはできません。
引用:Suunto「防水性」
この場合、「Suunto 5」の耐水「50m」は5気圧防水と捉えることができる。
5気圧防水の性能について、一般社団法人日本時計協会のサイトでは以下のように説明している。
水に触れる機会の多い水仕事(漁業・農業・洗車・食堂など)や水上スポーツ(水泳・ヨット・つりなど)をされる方にお使いいただけます。
素潜り(スキンダイビング)及び飽和潜水用や空気潜水用に使用しないで下さい。
5bar以上の防水時計でも水圧の激しいシャワーや水道水が直接時計に当たらないようご注意下さい。
引用:一般社団法人日本時計協会
これらの情報を整理すると、「Suunto 5」「Suunto 9」どちらも、ダイビングには利用できない。
水泳、ヨット、釣りなどの利用であれば、無理な使い方をしなければ「Suunto 5」の防水性能で問題ないと思われる。
シュノーケリングをするなら、「Suunto 9」が必要になる。
その場合、「Suunto 9」の文字盤素材は一般ガラスなので、購入後は文字盤に傷を防止するための保護シートを貼っておいた方が安心だ。
GPS駆動時間
Suunto 5 | Suunto 9 | |
GPS駆動最大時間 | 40時間 | 120時間 |
インテリジェント バッテリーモード | ・パフォーマンス ・持久力 ・カスタム | ・パフォーマンス ・エンデュランス ・ウルトラ ・カスタム |
GPS 記録周期 | ・Best ・Good | ・Best(1秒毎) ・Good(パワーセーブ1秒毎) ・OK(60秒毎) |
GPS稼働時間については、「Suunto 5」の最大40時間に対し、「Suunto 9」の最大120時間と大きな性能の差がみられる。
「Suunto 5」「Suunto 9」ともに、インテリジェントバッテリーモードを切り替えることによって、GPS記録周期を調整し、GPS稼働時間を最大時間まで延長することができる。
1日1回、充電ができる状況であれば、「Suunto 5」で十分な機能を備えているといえる。
一方で、毎日充電するのが面倒に思う人は「Suunto 9」も検討すると良い。
なお、GPS駆動時間は、バッテリーの残量の他に、バッテリーの劣化状況や、高所や寒冷地ではバッテリー消耗が早いといった使用環境も影響する。
このため、ウルトラトレイルランニングや縦走登山など数日をかけて山岳エリアを移動する人には、バッテリー機能に余裕がある「Suunto 9」をお薦めしたい。
タッチパネル、コンパス
「タッチパネル」と「コンパス」の2機能は、「Suunto 9」のみに搭載されている機能だ。
「Suunto 9」の場合、通常時は、文字盤の右側にあるボタンの他に、タッチパネルによるメニュー操作が可能となる。
ただ、タッチパネルは、エクササイズ中は利用できないので、個人的には「Suunto 5」との機能の差は少ないと感じる。
コンパス機能は、文字盤に方位計が表示される機能だが、(デジタル、アナログに関係なく)方位計の使い方や利用シーンについて正しく学んでいないと、機能があっても使うことはないと考える。
価格
Suuntoのフラグシップモデルにあたる「Suunto 9」は、現時点で5万円後半~6万円程度の価格帯だ。
一方、「Suunto 5」は、4万円を切る価格で購入できる。
機能の比較からいえば、「Suunto 5」は、かなりコストパフォーマンスが高いといえる。
以外に「Suunto 9」が必要な場面は少ない
「Suunto 5」と「Suunto 9」は、豊富なアウトドア機能、トレーニング機能、フィットネス機能を備えたGPSウォッチ。
ウォーキング、登山、マラソン、トレイルランニング、サイクリング、水泳などを楽しむほとんどの人は、「Suunto 5」の機能で十分だといえる。
また、「Suunto 5」でも、すべての機能を使いこなすことは難しいくらい機能がとても豊富だ。
また、「Suunto 5」は、小型軽量化が図られており、腕の細い女性や、装着機器の軽量化を重視するランナーにも受け入れやすいデザインとなっている。
この結果、それぞれのモデルは、以下のような人に向いているといえる。
「Suunto 5」を選んだ方が良い人
- ランニング、登山、フィットネス、ウォーキング、サイクリングなどを楽しむ人
- スイミング、ヨット、釣りなどの水上スポーツを楽しむ人
- 少しでも軽量で薄型のウォッチをもちたい人(女性やスポーツ選手など)
- 歩数、心拍、睡眠状態など24時間の活動を管理したい人
- 文字盤のレンズ素材は丈夫な方が良い人
- 購入費用を抑えたい人
「Suunto 9」を選んだ方が良い人
- 少しでもGPSの駆動時間を伸ばしたい人(ウルトラトレイルランニングや縦走登山をする人)
- シュノーケリングなど水中スポーツを楽しむ人 ※ただしダイビングには耐えられない
- できるだけ充電する機会を減らしたい人
- 文字盤は少しでも大きい方が良い人
- タッチパネルで操作したい人 ※ただしエクササイズ中は使用できない
なお、ウルトラトレイルランニングや縦走登山をする人で、もし金銭的な余裕があれば、日常生活や日々の練習は「Suunto 5」を使い、レースや縦走する時だけ「Suunto 9」を使うという使い分けを検討してみても良いだろう。