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新常識?EPOCを計測してケガを防ぐ(Suunto 9)

EPOCから身体が回復する時間が予測できる

SUUNTOのGPSウォッチ「SUUNTO 9」では、EPOC(運動後過剰酸素消費量)という数値を計測することができる。

また、EPOCの数値をもとに、運動後に身体が元の状態に回復するために必要な推定時間も教えてくれる。

これらの情報をチェックすることで、自身にとって適正な運動の量や質を把握することができる。

そして、過剰な運動を原因とするケガを防止することもできる。

Suunto 9 で、EPOC「155ml/kg/min」を記録。
EPOCの結果をもとにリカバリータイム推定時間「20時間」や
運動の強度(PTE、最大は5.0)「4.6」も計算される。

EPOC(運動後過剰酸素消費量)とは

EPOCは、Excess Post-exercise Oxygen Consumptionの略で、運動後過剰酸素消費量とも呼ばれている。

単位は、ml/kg/分で表される。

激しい運動を行うと、次第にEPOCの数値が増加する。

一般的に、激しい運動をすると、運動中は徐々に体内の酸素が減少していく。

激しい運動中や運動後に、呼吸が早く、深くなるのも体内の酸素が不足することが原因だ。

激しい運動後などは、呼吸が速く、深くなるのはなぜ?

一般に、安静時には1分間に約300mLの酸素を消費しますが、運動時に必要とする酸素量は10倍以上になります。運動初期は呼吸中枢が刺激されないため、他の組織から動員された酸素で補いますが、筋運動が強くなると酸素消費量が増加し、酸素が不足して血液中の酸素濃度が低下してきます。また、筋肉中の乳酸が分解されることで血液のpHが増加し、間接的に呼吸中枢を刺激します。
そのほか、筋および関節からの神経反射や、体温上昇による呼気からの熱放散の上昇なども呼吸数を増加する因子となります。
これらの呼吸中枢刺激により、呼吸数が増加し、また呼吸の深さも増大します。

引用:(看護roo!)「激しい運動後などは、呼吸が速く、深くなるのはなぜ?」

運動を終了すると、身体は運動中に減少した体内の酸素を時間をかけて補う必要がある。

その際、安静時の酸素摂取量よりも多くの酸素を摂取しなければならず、その過剰する酸素消費量がEPOCにあたる。

筆者が「Suunto 9」を装着して、アップダウンが急なコースを40分ほどランニングした時のEPOCの推移。
ランニング終了時に、EPOCは1分あたり302 ml/kgまで上昇した。
引用:(Suuto) Movescount

下のEPOC概念図では、激しい運動ほどEPOCの数値が高くなり、酸素摂取量が安静時の水準に回復するまでに時間を要することを説明している。

EPOCが続く時間とその総量は、運動の強度と持続時間よって影響を受け、運動強度が高いほどまた運動時間が長いほどEPOCの持続時間が長く、酸素消費量も多くなるとされています。
たとえば、ウォーキングや軽ジョギングなどの低強度の運動ではEPOCは数分~十分程度で消失しますが、レジスタンストレーニングやインターバルトレーニングなどの高強度の運動あるいはマラソンなどの長時間運動を行った場合には、数時間から数十時間続くという研究結果もあります。

引用:(横浜市スポーツ医科学センター)肥満と減量(理論編)知っておきたい肥満と減量の基礎知識

EPOCがなくなる状態、つまり酸素摂取量が安静時の状態に戻るまでの間は、だるさを感じたり、集中力が不足しがちなので、ケガをしやすい期間といわれている。

Firstbeat Technologiesの心拍分析技術

「Suunto 9」のEPOC計測には、心拍数などの解析を専門とするフィンランドに拠点をおくFirstbeat Technologies社の技術が採用されている。

同社は、SUUNTO以外にも、GARMINなど多くのスマートウォッチやGPSウォッチメーカーに心拍数の分析技術を提供している。

このため、我々が目にするEPOC数値の多くは、ファーストビートテクノロジー社の心拍分析に基づいた計測結果といえる。

同社によると、EPOCやEPOCをもとに計算される回復までにかかる時間(リカバリー時間)は、運動中の心拍数の他に、ユーザーの年齢、性別、身長、VO2maxや過去に蓄積した運動データなどの情報も使用して予測しているという。

VO2maxにはついては下記の記事を参照:

スマートウォッチで「最大酸素摂取量」(VO2max)を計測しよう!

ダイエットで注目される「アフターバーン」との関係

減量を目的とするダイエットでは、「アフターバーン」を活用したダイエットが注目されている。

「アフターバーン」とは、筋トレなど激しい運動により、運動後も長い時間、体内でエネルギーの消費が通常より多い状態になることだ。

筋力トレを中心とする「HIIT」と呼ばれる高強度インターバルトレーニングによるダイエット方法も、このアフターバーン効果を狙ったものが多い。

現時点では、EPOCとアフターバーンの関係について詳しいメカニズムは解明されておらず、現在も研究テーマの1つになているようだ。

このため、アフターバーン効果を期待する効率的なダイエットを目指すのであれば、単にEPOCをチェックするだけでは効果は期待できないと思われる。

効率的にダイエットをするなら、しっかりしたダイエット理論に基づいたプログラムやトレーナーの指導を受ける必要がある。

EPOCをトレーニングや休養を計画に活用する

「Suunto 9」では、EPOCの数値をもとに、自分にとって最適な運動の強度や運動後のリカバリーにかかる時間を知ることができる。

これにより、トレーニングの内容を見直したり、ケガを予防するためにトレーニングの量を調整したりすることができる。

例えば、リカバリーに24時間以上かかる場合は、しばらく軽めの運動に切り替える、あるいは運動の頻度を少なくするなどの検討ができるようになる。

今後はEPOCをチェックし、知らず知らずトレーニングの疲れがたまっていないかしっかり確認したいと思う。

また、効率的ダイエットを望む方には、まずは専門家に相談して、しっかりとした指導を受けることをお薦めする。

今回使用したGPSウォッチ

SUUNTO 「Suunto 9」

バッテリーライフが長く、マルチスポーツに対応した丈夫でスリムなGPSウォッチ。みちびき衛星受信機能搭載。

なお、今回紹介したEPOCやリカバリー時間などの計測は、姉妹機の「Suunto 5」でも対応している。

「Suunto 9」「Suunto 5」の違いはこちらの記事を参考にしてほしい。

「Suunto 5」と「Suunto 9」を比較!あなたに最適なモデルはどっち?

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