ウェアラブルメイト

様々なウェアラブルデバイスを紹介するブログサイト

Apple Watchの隠れ機能「心電図」

heartratemonitor

Apple Watchの心電図機能とは?

最近、一部のメディアで、国内で販売されている「Apple Watch」でも近い将来に「心電図」機能が利用できる可能性がでてきた、といったニュースを目にする。

こうしたニュースの発端は、独立行政法人医薬品医療機器総合機構が発表する「認定・登録外国製造業者リスト」において、Appleが2020年5月25日付けで「医療機器」を提供する「医療機器外国製造業者」として登録認定されていることが判明したことによる。

引用:
(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)認定・登録外国製造業者リスト(令和2年6月16日現在)

さて、ここで以下のような疑問が生じる。

  • 海外と日本のApple Watchは機能が異なるのか?
  • Apple Watchは心電図機能とは何か?
  • すでにある心拍計測機能と心電図機能との違いは?
  • 国内でApple Watch以外に個人が心電図機能を使える製品はあるのか?

Apple Watchで使える機能は国ごとで違う

驚いたことに、国ごとにApple Watchで使える機能は異なる。
正確に言うと、Apple Watchを制御するOS「watchOS」の機能別に、提供する国が細かく決められているのだ。

引用:
(Apple)「watchOSで利用できる機能」

上記の機能一覧と提供国をみると、日本では当たり前に使われているSiriの機能ですら提供していない国があり、日本には心電図の他にも、学生証、ニュース、空気質指標などの機能が提供されていないことに気づく。

ちなみに、米国では「心電図」機能は、Apple Watch Series 4から提供が開始されている。

心電図とは?

心電図は「ECG」(Electrocardiogram)とも呼ばれ、心臓の活動を調べる検査方法の1つ。

心電図検査を使うと、心臓の様々な情報が得られるので、不整脈、狭心症、心筋梗塞などの心疾患の診断や治療に役立てることができるという。

ちなみに、日本の場合、心電図検査を行う機器を販売するためには、厚生労働省により認可された第三者機関の審査などの手続きが必要になる。

まず、米国に本社をおくAppleの場合、冒頭の「医療機器等外国製造業者」の登録申請が必要になり、心Apple Watchを心電図を計測できる機器として店頭で販売するためには、様々な手続きや交渉が厚生労働省と必要になるといわれている。

こうした行政手続きのハードルの高さが、これまでAppleが日本国内のApple Watchに対して「心電図」を提供しない(できない)主な理由の1つといわれている。

すでにApple Watchで利用できる心拍計と(未提供の)心電図との違いは?心電図のメリットは?

さて、現時点では、Apple Watchで心拍計という機能を使えるが、心電図に関する機能とは何がつがいうのか?心電図が増えることで、どのようなメリットがあるのだろうか?

引用:
Apple Watch Series 4 — あなたの心拍数を測定する方法 — Apple


心拍数の測定方法には、LEDの光を肌に照射した時の反射光を利用して心拍数を測定する「光電式容積脈波記録法」(光学式心拍数計測)や、心臓の電気的な活動を心拍センサーで記録する「心電図法」などがある。

現在、国内のApple Watchが心拍計測に使用しているのは、光学式心拍数計測になる。

医療に携わっていない筆者の場合、すでにApple Watchで心拍数が計測できるのであれば、わざわざ心電図を使った計測機能を追加するメリットは少ないように思える。

しかし、専門家によると、心拍数を複数の方法で計測することは、心疾患の診断や治療といった医療目的において非常に価値があるという。

引用:
(カラーダ)「心電図と心拍数で知ることができる身体の状態」

スポーツシーンにおいても、光学式心拍数計測よりも心拍センサーを用いた計測の方が計測精度が高いため、心拍センサーを搭載した機器を同時に用いるメリットがあるとされている。

引用:
(ポラール)心拍数計測方法の違いによる長所と短所は?

国内で心電図、心拍センサーを使える製品

いずれにしても、現時点において国内のApple Watchで心電図を使った機能は利用できない。
また、冒頭で紹介した医薬品医療機器総合機構の「認定・登録外国製造業者リスト」にAppleの名前が追加されても、本当にApple Watchの心電図機能が使えるようになるのか、いつ頃から使えようになるののかは現時点で全く不明だ。

このため、もし心電図の計測に関心を持っている場合は、すでに国内で市販されている家庭用の携帯型心電計やスポーツ向けの心拍センサーがあるので、こうした製品を使用する方法もある。

【医療向け】携帯型心電計

オムロン携帯型心電計 HCG-801 ※医療機器の購入は、事前に医師に相談すること

【スポーツ向け】心拍数モニター チェストストラップ

Polar H10
SUUNTO SMART SENSOR

スマートウォッチに期待される見守り機能や疾患予防機能

各メディアのニュースの取り上げ方を見ると、Apple Watchを心疾患の診断や治療に利用する心電図機能への期待が高いことが伺える。

スマートウォッチの機能は、当初のスマートフォンのリモート操作から始まり、運動量の把握、ストレスや睡眠状態の把握、キャッシュレス決済と進化してきた。

今後は、見守りや疾患予防といった、さらに高度な機能のニーズが高まっている。